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物の形や人物像等を明確に表現するよりも、それらを包む光や空氣感等、一瞬の印象を捉えて再現するように表現する印象派絵画。私は、その印象派絵画から、回転混色(継時加法混色)という方法で、空氣感というものだけを採りだせるのではないかと考えた。
この作品はピクセルの 数(2・4・8・16・24・32・64・128・256で、特に8と32)を中心に、8 回行われた印象派展に参加した 8 人 32 枚の絵画から採り出した 8 色を、独楽 に変換し回転させることで 空氣感を表現しようと試みた作品です。
このページは、デザインの関係で 英語を仏語表記にしています。
私は、まず全8回行われた印象派展に関わった人物の中から、代表的と言うことができる8人を選定し、その画家から4枚、合計32枚の絵画を選びました。
そして、その32枚の絵画をそれぞれ8色に限定しました。
左側の画像が元画像で、右側の画像が8色に限定した画像です。
8色に限定する方法は、32枚すべて同じ変換方法で統一して変換しました。
まず、Adobe Photoshopを使用し、① 絵画の縦横の幅で狭い方を1000pixelとし、PNGで保存します。この画像が 展示に使用した元画像となります。
次に、② 混色効果を上げるため、また、そのまま8色に変換すると 元の絵画の色彩から遠くなってしまうため、絵画の彩度を32上げます。
③ ディザなし の 割り付け で、8色のGIFに変換します。この画像が 展示に使用した8色画像となります。
(画像は、サイトで公開するために 解像度を変更しています)
続いて Adobe Photoshopを使用し、8色に限定した色を カラーピッカー の HSB の H値(色相の値で、英語で Hue、フランス語で Teinte という)の順に 8色を並び替えました。
次は、Adobe Photoshopで表示される それぞれの色のヒストグラム面積比率数の大きさをもとに、Microsoft Excelを使用して 8色の色を円グラフに置き換えます。
8色に限定した画像と 全体のヒストグラム面積比率数(Histogramme pixel)
8色を1色に分色した画像 8枚と、1色あたりのヒストグラム面積比率数
8色のヒストグラム面積比率数からできた 円グラフ
円グラフの起点は PCCS色相環の起点にならい、アナログ時計で示す 45分の位置からスタートしています。
32作品の印象派絵画に、同様の変換を行います。
作品は、サイトで公開するために 展示後の手直しをしています。
サイトで公開することで、真の意味での完成をしました。
Camille Pissarro(Jacob - Abraham - Camille Pissarro)
アメリカ ヴァージン諸島 セント・トーマス島 生
1830 年 7 月 10 日 - 1903 年 11 月 13 日
円グラフを、立体の造形物である 回転混色体に変換します。
私は、この卒業制作の研究をしていく過程で 木のおもちゃ というものに出会い、その奥深さに感動しました。そして、今回の卒業制作は 木のおもちゃのような作品にしようと決めました。
とは 言うものの、今、私が専攻しているのは、デザイン情報学科のコミュニケーションデザインという 商業デザインであり、木工を扱う工業デザインではありません。そのため、工具を買うことから始めなければなりません。
シェア工房というものを たずねたりもしましたが、工業の学校を出ていないと、ほとんどの工具を使用させてもらえないとのこと。結局、ボール盤等をホームセンターで買ってきての 自宅での制作作業となりました。
作品は 展示後に作り直しているため、製作途中の写真とは 配色に誤差が有ります。
アートブロックに木工用パテを塗り、サンディング加工して表面を滑からにしてから 筆で塗装し、ニス加工をしました。
半球一つにつき8色で、半球面と平面が有るため16面。64個の半球で、合計256色の色を採取し 1024の面を塗装しました。何度も塗り直したため、塗装の作業だけでも 相当な作業量でした。
木材にボール盤で穴を開け 紐を通す等の加工をして 一つ一つ丁寧に制作し、そして、回転混色体ができ上がりました。
仕事の休日は 卒業制作一色で、多彩な塗装作業となりました。
32個、256色の円グラフは、
32個の立体円グラフとなり、
32個の回転混色体となりました。
立体円グラフ。その円グラフを見ているだけでも、円グラフの元になった絵画を 感じることができます。
立体円グラフの上に 回転混色体を乗せたところ。半球が かさなることで、球体になりました。
そして 回転混色体を回すことにより、色彩が 人の脳の中で混色されます。
回転混色体は、手にとって自由に回すことができます。
リングを持ち、もう一方の手で巻きついているヒモをつまみます。
ヒモをつまんでいる手で、ヒモを引っ張ります。
ヒモを伸ばしきる前に、つまんでいるヒモを放します。
色々な角度から回転混色を楽しむことができます。